6月のコラムは、「日本人は高血圧が多い」です。

 

2006年にわが国で行われた国民健康・栄養調査によると、降圧剤を飲んでいる人は、有病者のうち約20%にのぼり、40~74才の人のうち、男性は約6割、女性は約4割が高血圧(140/90mmHg)という結果が出ているのを知っていますか?つまり、日本人の多くは、高血圧なのです。

 

これは日本人特有の食生活と関係があります。日本人は、昔から塩分(ナトリウム)を多く含む食材(漬物や味噌汁等)や調味料(醤油等)を多く好んできました。これは保存食としての一定の役割はありますが、やはりそのような食生活が影響をしていることは否めません。

 

では、そもそも塩分(ナトリウム)の取りすぎが何故高血圧を引き起こすのでしょうか?塩分(ナトリウム)を多く摂取すると、血圧中の塩分濃度が上がらないように、水分で薄める作用が働きます。そのため、体内の水分が多くなり血圧の全体量が増して、血圧の上昇を引き起こします。これが簡単なメカニズムです。

 

もちろん、塩分(ナトリウム)の摂取だけで高血圧を引き起こすのではなく、ストレス・過労・喫煙・飲酒・運動不足など、様々な要素が絡み合っています。しかし、いずれにしても厄介なのは、高血圧は「自覚症状がない」という特徴をもっている事です。定期的に血圧を測定していないと、その変化に気づくことは難しいですし、仮に何らかの健康診断(定期検査)でお医者さんから指摘を受けても、やはり「自覚症状がない」ために積極的な改善をする人が少なくありません。高血圧は放置しますと血管が硬くなり動脈硬化を誘発し、更に進行していくと虚血性心疾患や脳卒中などの発作を起こし命に関わる事態に発展いたします。これが「サイレント・キラー」といわれる所以なのですね。

 

そこで、食事に関してどのような事に気をつければ良いのでしょうか?

 

そもそも塩分(ナトリウム)はミネラルの仲間で、ミネラルは適量を採ると体の調子を整えてくれ、お互いに協力(作用)し合っています。健康を維持するためには、多すぎても少なすぎてもダメなのです。また、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排泄するのを手伝ってくれるのが、「カリウム」です。「カリウム」は、新鮮な野菜や果物に多く含まれています。パセリ・納豆・ほうれん草(生)・干しブドウ・アボガド等がそれにあたります。ただ、野菜は熱を加えると失われるものも多く、調理方法には少し気をつける必要があります。果物も良いのですが、糖分を多く含んでいるのでこちらも採り過ぎには注意が必要です。

 

いずれにせよ食事は毎日の事ですので、良いも悪いも日々の積み重ねが大きな変化につながります。

 

 

文責:斎藤利之(中央大学保健体育研究所 客員研究員)

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