「高齢者こそお肉を食べましょう!」

 

厚生労働省は健康づくりの指針を見直し、「お肉」などのたんぱく質を高齢者がしっかり食べるよう指導に乗り出しています。その理由には、栄養不足による筋力低下や脳梗塞の増加、認知症になりやすいなどのさまざまな影響が出ることがわかってきたからです。ただ年をとると、「お肉」を避け、魚や野菜中心のあっさりしたものを好む傾向にありますよね?でも、高齢者ほど動物性たんぱく質をできるだけ摂ったほうがよい」と多くの専門家が指摘しております。また「お肉」から得られる良質なたんぱく質は、免疫力をつけるのにも役立ちます。特にビタミンB1が多く含まれている豚のヒレ肉はお勧めですね。

ただ、何でもバランスが必要です。魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの栄養素が注目されていますよね。確かにDHAやEPAには(特にイワシやサバ、秋刀魚などの青魚)、血中のコレステロール値や中性脂肪を下げ、動脈硬化を防ぎ、老化を遅らせる働きがあります。

いずれにしても、高齢者の低栄養は要介護状態の原因となるため、年齢とともに筋肉量が減るのを予防するためにもタンパク質を摂取するのは重要なことです。一般に「お肉」と魚は、1対1の割合で1日おきに、交互に食べるのが理想的な食べ方といわれています。

さて、『介護されたくないなら粗食はやめなさい』(講談社+α新書)の著者で、人間総合科学大学健康栄養学科の熊谷修教授は、高齢者の食生活を改善するため、ご飯など主食は別にし、食品を、肉▽卵▽牛乳▽油脂▽魚介▽大豆▽緑黄色野菜▽いも▽果物▽海藻-の10食品群に分類、満遍なく食べるよう呼び掛けています。熊谷教授が数年間にわたって実施した調査では、10食品群を食べる回数が増えた高齢者は栄養状態の指標となる「血清アルブミン」の値が上昇、動脈硬化などを予防する効果があったといいます。アルブミンは肝臓でつくられるタンパク質で、アルブミンの測定は、栄養状態を判断するだけでなく、老化の進行状況をチェックする上でも欠かせません。たとえば自分で衣服が着れる、自分で食事が摂れる、トイレにも一人で行けるなど、自分の身の回りのことができる人は、アルブミンの量が十分足りている証拠と別の専門家1)が指摘しております。

最後に、タンパク質を大豆(植物性タンパク質)で摂っているから大丈夫という方がいますが、大豆や大豆製品だけで一日の必要タンパク質を摂ろうとすると、相当の量をとらなければならなく、しかも植物性タンパク質の吸収率は84%(「お肉」などの動物性タンパク質の吸収率は97%)と低い値になります。実は鉄分もほうれん草に比べると牛肉やレバーに含まれる鉄分の方が2~5倍も吸収されやすいと言われています。

“うつ”の予防にもつながる「お肉」の効用は、今後、更に注目です。

1)白澤卓二

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