「噛むことの大切さ」

 先日、うちの3歳になる息子が、喉にモノを詰まらせて顔面蒼白になったという出来事がありました。幸い大事に至らず良かったのですが、彼は、以前も同様の事がありまだまだ目が離せません。その原因は、モノを噛まずに飲み込んでしまう事にある訳ですが・・・

さて、その「噛む」という行為は、我々人間にどのような影響を及ぼすのでしょうか?私たち人間がモノを噛む時は、最大で体重の2~3倍の強い力で噛み砕くと言われています。噛む事は、モノを小さくして消化を助ける効果がある事は何となく分かりますが、実はその他にも噛むことによる人体に良い影響を及ぼしていることはあまり知られてないように思います。例えば、噛むことによって歯全体に刺激が加えられ、その後あごの骨に伝達されます。そして、顔の筋肉等を介して結果的に頭の骨に伝達されます。この刺激によって、強い骨を作り始めることに繋がっていくということをご存知でしょうか?また、その食べ物の情報は、噛む行為そのものによって、脳全体が活性化されていくのです。つまり、口を動かすということは脳に命令され、しかも、噛んでいるという情報は脳の感覚野というところに伝達されます。すると、美味しいとか不味いなどを含め、いろいろな食感の情報を照合し、食べている物が何であるかを確認しているのです。つまり、脳を活性化させるということに直結しているのです。また、現代人の食事は、噛まなくても良いモノが沢山存在し、その結果、必要以上に摂取してしまい、肥満や生活習慣病に繋がるという事も知っておく必要があるでしょう。ある情報によりますと、弥生時代では、噛む回数は1食に付き平均3990回で、所要時間は51分であったらしく、現代では、噛む回数は1食に付き平均620回で、所要時間は11分という結果が確認されています。約7倍も違うのですね。

一方、噛むことによって唾液が出ます。唾液は、「不老長寿の妙薬」といわれるくらい重要なモノですが、それは噛むことによって多く発生し、唾液の中には“ムチン”といって胃を保護し食べ物を飲みやすくする成分があります。何だか、いい事尽くめですね!

更に、岐阜大学との共同研究では、人間にチューインガムを噛ませて記憶テストを行い、脳の変化やどの部分が活性化されるか、MRI(磁気共鳴機能画像)法によって、噛むことが脳の活性化に関わることを確認することが出来ました。噛んだ者と噛まない者とでは明確な差異が認められ、つまり、チューインガムを2分間ほど噛んだだけで、特に高齢者ほどはっきりと記憶能力が、平均10ポイントアップしたという結果が出てきたそうです。ボケないためにもしっかり噛まなければいけないということになりますね。また、認知症の予防に“噛む”ことはとても大切で、噛むことで脳内の知能に関係する「海馬」、統合的な働きをする「前頭前野」、あるいは情報を統合させる「連合野」、いずれもが活性化されることが、神奈川歯科大学・小野塚実教授らの研究で明らかにされました。

明日からしっかり「噛む」ことを心がけましょう!

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